先日、国の重要文化財指定の答申を受けたむつ市旧海軍大湊要港部水源地堰堤、確かに、その部分だけ写真に撮ると、すばらしい構造物と見ほれる。しかし、その場所を訪れたことがある人ならすぐに気づくのだが、その前面にバイパスの橋梁がでーーんと構えていて、見るに耐えない。
平成5年に、日本で初めて試みられた厚アーチ式石造堰堤として県重宝に指定された。その後、むつ市から川内町へのバイパスが計画され、むつ市民の大きな反対もなく橋が架けられたのであった。地元になじみのない小生のような部外者でも市民の憩いの場として長年活用されてきた「水源地公園」のど真ん中を景観ぶちこわしの橋を造るなんて、日本一の桜の名所として名高い弘前公園のど真ん中にバイパスを通すようなもので、弘前市民だったらまず、許さないことでしょう。もちろん、そこに住んでおられる方の生活も大事なので、地元の方々がそれでよしとしたなら、部外者がとやかく言うことではないかもしれません。
しかし、国がこれを重要文化財に指定するとなると、国民共有の貴重な遺産として認めたことと思うので、橋脚建設後の指定には賛成できませんね。国としても苦渋の決断だったとは思うが、構造物の指定にはその場所の景観には特段配慮しなくても指定可能という前例になるような気がする。
時間を巻き戻すことは不可能ですが、歴史を教訓にすることはできます。
↑近距離から
↑遠くから見ると。上部に見えているのが橋